回想 歯医者

息子がいなくなってまだ日が浅い頃

仕事の途中歯が痛くなり
時間と共にどんどん痛みが増し
午後には我慢が出来なくなり

ネットで職場に一番近い歯医者を探し保険証も持たず飛び込んだこと
そんなことがありました(その日は保険証を持ってなかった)


私を見て下さったのはその歯医者さんの院長先生でした
まずはレントゲンを撮り…

院長先生がその写真を見ながら

「最近なにかありました?」

「たぶんね… 寝ている時にね… 
 すごいストレスで
 無意識にね… すご~い力でくいしばってるんだね
 だから、歯が割れてしまってる…
 すごい痛いでしょ… 」

初対面だけど、あまりに穏やかで優しい表情の先生に

「息子が亡くなったんです」

そう言うと先生は驚いた表情で

「そうですか… 事故かなにか?」と

私は、ありのままに息子の死を伝えました

先生は、静かに

「そうでしたか…」と言われ、後は言葉もなくそのまま治療に入って下さいました

あまりの穏やかな先生に場違いを承知で

「どこかいい心療内科ご存じありませんか?」と聞いてしまいました

どこかにかかりたくとももし自分に合わない心療内科だったらどうしようという不安
その時ですらもうギリギリの状態なのにもし自分に合わない心療内科にかかり、これ以上自分にマイナスが加わったら…
もう起き上がる自信がなくてすごく怖かったから

 
応急処置をしてもらって帰る時
その院長先生は、自分の名刺に心療内科の連絡先を書いて私に下さいました

「僕からの紹介だと言っていいからね」と。


私は、その名刺を大切に財布に入れて職場に戻りました


12月に入って… 3年前の今頃のその院長先生のことをふと思い出しました

あの時私は、歯の治療より心の治療をしてもらってたんですね

院長先生のその一言一言忘れられません

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食洗機

16年にもなる食洗機がとうとう壊れました
というより
16年もよく動いてくれましたというべきです

この大型の食洗機…
3年前にも一度壊れました

この「食洗機が壊れた」という出来事が
3年前の私の思いをひきだしてきて情けないことに
ここ数日一人になると涙がとまりません

  ******

あの時はきっと突然の出来事で
冷静さを失っていた気がします


蘇るひとつひとつの場面

葬儀の時の私
私は棺にすがって泣いていた
棺の中の息子の顔を撫で… 体を撫で…

「死んじゃうなんていやだから… いやだから… 」

何度も何度も顔を撫で体を撫でても目を開けない…


葬儀が終わって数日後主人も娘も仕事へ出かけ
一人で家にいた時

私は息子の部屋のベットに腰掛けて
ひたすら一点を見つめていた

あまりに重いこの悲しみを背負って生きていけない

生きていけない

生きていけない

ただ一点… 息子が亡くなった場所を見つめて


死んで会いたいとかそんな思いもなく
残された娘や主人のことも頭になく


ただただ… 生きていけないと




そんな時

けたたましい音が… 一度も聞いたことのない音

ぼんやりした頭がそんな音はどうでもいいやと思っているのに
いつまでも鳴り続けるけたたましい音に

下に降りていくと
その日使っていない食洗機のランプが全部点滅して異常を知らせる音を
発していたのです

電源ボタンを押しても消えず
他のボタンを押しても消えず
ドアを開け閉めしたりしても消えず

それからしばらく音に振り回され…はたと気がつけば

私はその大きな食洗機の前にへたり込んでいました

へたり込んで座ってる私にその音は

「まだ 死んだらいかん」

「今 死んだらいかん」

そう言われてるようでした


自分のことしか頭になく

娘はどうする 主人はどうする 年老いた私の父を残してどうする

ほんとうにどうかしています

   *****

その後サービスセンターの方が来て修理をしてくれましたが
もう時間の問題でしょう…と言って帰っていきました


なのにあれから3年もの間 よく動いてくれてました

今は3年という月日が
当時の苦しい思いも受けとめられるようになりました

ただ
蘇った当時の思いに
なんだかひたすら涙が込み上げてきて困ったことです

新しい命

12月に入って仕事に追われ昼休憩、合間の休憩もあるようなないような…

空いた時間急いで休憩に入ると携帯に着信が入っていました
こんな中途半端な時間に娘からの着信におかしい!と
すぐ折り返しかけると
仕事中ででられるはずのない娘が電話に出てふたたび驚いてしまった

体調が悪くて早退したとのこと

「でもね… 赤ちゃんが出来たの~」の言葉にまたびっくり

娘は続けて

「でね~、予定日がね8月の初めだよ お母さん8月だよ~」って


そう8月は息子が生まれた月です

「それ… 俺だし~なんて言ったらいいのにね~」って笑って娘は報告してくれました

忙しい仕事の合間、そんな冗談話で盛りあがって電話をきりました



家に帰って仏壇の前に座りすぐ息子に報告しました

で…



  ほんの小さな小さなひとかけらでいいから…

  来年の8月 小さな命にくっついて

  天から一緒に降りてこない?

  そしたらみ~んなと再会できるよ~  と


そんなことを言う母に 娘に

呆れて 呆れて 苦笑い そんな息子の顔が浮かびました




3年と1回目

ここ数日、寒くて冷たい日が続いていました

寒い日や雨の日のお墓参りは、すごく寂しい気持ちになります

だから、昨夜からなんか気持ちが重くなりがちでした


今月に入ってかなり仕事が忙しくなってきたので

今日の月命日…午前中頂いてたお休みもやめ

お寺さんに来てお経を頂くのをお休みしました


そして

いつもよりずっと早く家を出てお墓参りに出向き

そのまま仕事にむかいました


お寺の駐車場に着いて外に出たら意外と寒くなくて

お花と線香とロウソクを抱えて…コートなしで大丈夫でした

お墓には、まだ新しいお花がありましたが

私が持っていったお花も強引にそこにさしてお参りをしてきました


お墓の前で手を合わせながらも… まだ

ふいっとこれが現実なのか?とよぎります


何年と何回目になったら頭の中がきちんと整理できるのかな… と

きれいな空を見上げ… そう思いました


そして、そんな思いも仕事に突入したら… あっという間に時は流れ

今日という日がもう終わりです

もし、過去に戻れたら

今年手に入れたタブのお陰で気軽に電子書籍をDLして読めるようになりました

先日DLした本は、「この胸いっぱいの愛を」です
読み出したら止まらなくなり2日間で読んでしまいました

飛行機事故がきっかけで過去にとんでしまう話です

そこで20年前の自分と出会ったり、事故で亡くした子供に出会ったり…

そして過去を変えようと… 



戻ってみたいな


過去に飛んでもう一度会えたら…



私はどうするんだろう


 会ったらただただ泣いてしまうんだろうか

 会ったら嬉しくて触りまくってしまうんだろうか

 それとも私よりも先に行ってしまったことを

   いつもの迫力でどなって怒るんだろうか


頭の中でいろいろ考えてみるけれど

その時の自分が浮かばない


だけど、会えたらどうするんだろう…と

そう思うだけでなんだか胸がいっぱいになってしまう



もし、過去に飛べたなら

    私も全力で過去を変えようとしてるかもね

心に残っていたもの

ずっと以前見てずっと心に残っていた『岸辺のふたり』



とってもせつない思いになりますがとても惹かれます

年末

息子がいなくなってからの年末年始は、
取り立てて何かをしようという気持ちがなかなか湧きません

まあ… 仕方がないか…

まだまだ、「おめでとう!」と楽しめる気分にはなれませんが、
さりとて今まで通りに暮らすことが一番の供養かと思うと、
ちょっとは何かしないと思ってみたりと…

心はあっちこっちへふらふら


そんな中、県外に就職した息子の友人らが年末に帰省したからとメールが入り
行ってもいいですか~と

彼らは、お盆に帰省した時も連れだって来てくれました

今日は、地元の中学時代の集まりがあるとか…


「楽しそうだね

 うちの息子も連れて行ってよ~」

            なんて言う私に


「もちろんですよ! 一緒ですよ!」

    と皆で笑って即答してくれたのが嬉しかった



皆の近況報告を聞き… では、今から飲み会に行きますって行った時

友人の一人が、仏壇に背を向けてしゃがみこんで

息子を背中におぶさる仕草をして

「さぁ!行こ!」と…



皆が、普通に飲み会、○○がいないと盛り上がらないしな~といって

出かけていきました


玄関で皆を見送ってる時

その輪の中に「おい、おい、いくぞ~」ってはしゃぐ息子がいるようでした

いやいや… いたでしょう きっと


皆、ありがとうね

  なんだかいい年末になったよ



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